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銀行業務検定試験・相続アドバイザー3級の勉強方法と資格の難易度

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これまで、金融コンプライアンス・オフィサー2級証券3級の試験を受験し、当ブログの記事として残してきました。

この記事の執筆時点(2016年10月)の約半年前ではありますが、相続アドバイザー3級の資格試験を受験し、合格しております。

例にならって、世間からするとメジャーな資格ではなく受験記録の情報も少ないので、私の受験体験をここに残します。

この記事がこれから受験する人の参考になれば幸いです。

銀行業務検定・相続アドバイザー3級とは

渉外担当者や窓口担当者が相続に関する相談業務にあたって必要とされる基礎知識・実務知識について、その習得程度を測定します。
【出典】銀行業務検定協会

主に預金・融資・為替など銀行3大業務の基本的な知識ベースを求めつつ、個人や法人関連の相続に絡む基礎知識や法律の理解を問う試験です。

金融機関の職員、特に顧客と直接相対する担当者/管理責任者が理解しておかなければならない相続に絡む基礎知識が試されます。

相続事務の経験が無い場合は、自分が実際に身内が亡くなり相続人となった事を想定しながら学習すると良いでしょう。

銀行業務検定の中では中間的な難易度

相続アドバイザー試験は、民法や相続税法はもちろん、手続きについても学習できるのが他の資格等との違いです。特にご自身のために相続準備をしたいとお考えの方にとっては、相続開始後の手続きこそ知っておきたい内容でもあるでしょう。学習項目は非常に実践的かつ多くの方が経験する内容でもありますので、広く一般の方が学習されることをおすすめします。
【出典】資格の学校TAC

2015年度試験の合格率は52%程度で、銀行業務検定、法務・税務・財務の3級御三家と比較すると、やはりまだ簡単な部類です。ただし、金融コンプライアンス・オフィサー2級(合格率70%弱)ほどは甘くはなく、個人的な感覚では証券3級よりも若干難しく感じました。

私のように、基本的な知識ベースを叩き込まれた新入行員時代から10年近く経っていると、微妙に当時の法律と現状が異なっている事に驚きます。

相続事務の専任担当者であれば楽勝なのかもしれませんが、そうでない一般行員は全く勉強無し(ノー勉)で挑むのは、なかなか難しいかもしれません。

私は元銀行員ではありますが、実際に営業店で相続事務は経験する事なく本部の企画部門に配属されましたので、少々取っ掛かりにくかったというのが正直な感想です。

他の金融業務検定試験と同様、証券外務員二種、ファイナンシャル・プランナー(FP)3級等、金融機関の職員が入社前/入社直後に取得を促される、メジャーな金融関係の資格を持っていれば、予備知識として大いに役立ちます。(いちおう、私も両方資格を持っています。)

勉強・学習に必要なもの

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  • 最新の過去問題集
  • 勉強ノートとペン
  • 電卓
最新の過去問題集

銀行業務検定の多くは、年2回開催されており、この相続アドバイザー3級も同様です。多少、古い問題集であっても基本的に問題は無いと思いますが、前述の通り日々法律は変わっておりますので、最新の過去問題集を用意するのがベターでしょう。

合格するための点数(60点)を稼ぐのであれば、市販の書物は過去問だけで事足り、試験合格のために通信教育を受けたり、参考書を購入する必要はありません。

勉強ノート

次にノートですが、これは分からなかった単語や解説を箇条書きで書き出す際に使用します。普段聞きなれないような単語が出てきたときは、ネットで調べて概要をノートに残しておくと結構参考になります。

(私の場合、お恥ずかしながら「遺留分」が初っぱなから分からず、本資格試験の勉強で出鼻を挫かれておりました。)

また、過去問題集を1周した後、再度の効果測定として腕試しする際、間違えた問題や苦手な分野の洗い出しにも有効です。

私は勉強用や仕事用に、罫線の無い無地のノートを愛用していますが、この辺はその人の好みだと思います。これは持論ですが、ノート本体の良し悪しは勉強には関係ありません。

電卓

相続アドバイザー3級では、毎年、相続税に関わる計算問題が出題される傾向にあります。

時と場合によっては暗算で事足りるケースもあるようですが、どのような計算問題が出題されるのかは当日の試験問題を目にするまで分かりませんので、電卓の使用技術を含めて備えておきましょう。

ちなみに、試験でも電卓の持ち込みは可能ですが、試験の注意事項によれば金融計算電卓、関数・メモ機能付は持ち込み不可です。

当たり前すぎるのですが、試験会場では携帯やスマートフォンも電源オフが慣行です。

勉強は余裕をもって試験の1ヶ月前には始めたい

予備知識が全くない場合、余裕を持たせて勉強を始める必要があります。

私の勉強期間は2週間ちょっとでしたが、残業続きの仕事や、プライベートのごたごた(詳細は語りません)に少々巻き込まれていた関係で、非常に余裕がなく、これまでの資格試験のように万全を期せたとは言い難いものでした。

参考までに私の勉強方法は以下の通りでした。

  • 1日1時間ほど勉強に時間を割いて、計算問題以外の過去問1回分を2日かけて解く(×8日)
  • 過去問を1周したら、今度はノートに回答を書き出し間違えた箇所を把握し、復習する。(×4日)
  • 過去問の復習をしつつ、計算問題を集中的に学習する(×2日)

勉強期間は合計14日間、勉強時間は合計で15時間強くらいで、過去問4回分の平均点は75点程度と、非常に危うい状態でした。特にプライベートのごたごたが厄介で、勉強時間中の学習の質もこれまでに無いくらい低かったと思います。

とは言いつつ、私の場合は「まぁ受かるだろう」という程度までは習熟した手応えがあったため、試験日当日は過去問で間違えた箇所のチェックをサラッと行う程度で、10分も勉強しなかったと思います。

しかし、勉強や習熟度にはどうしても個人差があり、これも飽く迄、私のケースに過ぎません。ネットには「撃沈、難しすぎる」という声もあります。

恐らく、全ての資格試験に言える事ですが、「暗記しよう」とか「覚えよう」と息巻いて机に向かうのではなく、「何故そうなるのか、理解する」ということが肝要です。

これらを踏まえて過去問は余すことなく、全期間分を繰り返し解きましょう。問題慣れすることも重要な学習方法のひとつです。

法律の知識を問うような問題は一問一答で理解するのは難しく、他の問題を引き合いに出して、比較して、違いを理解することで合格に確実に近づいていきます。

履歴書に書ける資格かどうかは微妙

銀行業務検定試験の全般に共通して言える事ですが、一般社会では認知され難い資格です。世間では「終活」ブームだそうですけれど、人間は誰でも必ず死ぬようにキチンと出来ていますので、ブームという表現も微妙ですが。

本資格試験の学習をすれば分かるのですが、実際に士業のように働けるわけでは全くありません。ただ、金融機関の相談窓口として突然、相続の相談をされたときにあたふたとせずに済む程度の知識は得られます。

前述のとおり、銀行業務検定の法務・税務・財務の3級御三家と比較するとまだ取得しやすい資格試験ですので、お勤めの金融機関内の昇格要件に数えられる場合は取得の選択肢に入れても良いかと思います。

特に相続事務のような、各種法律が密接に絡み合う知見を得れば、その他の金融に関連する法務知識の理解もしやすくなります。

お仕事が金融機関に関係の無い場合でも、具体的にどのように銀行等が処理事務を行うのか分かるため、ある意味、一般受験も有用に思えますが、金融資格ならばFP3級/2級辺りに挑戦されたほうが絶対に良いと思います。

私の場合、金融システムに関わる仕事をしており、相続を背景とした開発案件があったので勉強がてらの資格取得と相成りました。(私事ですが、細々とした資格を目敏く取得しているからか、今年の7月に昇格/昇給しました。)

私の受験結果

私の受験(2016年3月受験)結果は、2015年3月9日に発表された、公式の解答発表の自己採点では66点で合格でした。かなり危ないラインでした。

前述の通り、時間的/精神的にも余裕が無い環境面下の中での受験でしたので、合格しているのでまぁ良しといった程度です。

ご家族がご健在であれば、いつか必ず相続と向き合う日が来ます。前述の通り、人間は必ず死ぬようにはじめから出来ているからです。

どこまで試験で備えられるかは分かりませんが、その日のために、予備知識を準備しておくという観点でも、ある意味受験のし甲斐があるかもしれません。

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