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銀行業務検定試験・証券3級の勉強方法と資格の難易度

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前回の金融コンプライアンス・オフィサー2級に引き続き、今回は証券3級の試験を受験しました。

銀行業務検定試験全般に言えることですが、世間からするとメジャーな資格ではなく受験記録の情報も少ないので、私の受験体験をここに残します。

この記事がこれから受験する人の参考になれば幸いです。

銀行業務検定・証券3級とは

金融機関の行う証券業務に関する基本的な実務知識について、その習得程度を測定します。
【出典】銀行業務検定協会

主に公社債券・投資信託に絡む基礎知識や法律の理解、金融商品取引市場の概要等を問う試験です。

金融機関の職員なら、押さえておかなければならない証券まわりの基礎知識が試されますが、証券管理部門などに従事していなければ、少々とっかかりにくい試験に思えます。

銀行業務検定の中では中間的な難易度

証券業務は、証券市場・制度、証券発行市場、証券流通市場、先物取引やオプション取引、さらに短期市場金融、証券税制等を含む広範囲な業務で、内容も複雑かつ多種多様です。(過去問題集/学習のポイントより)

2014年度試験の合格率は54%程度だそうで、銀行業務検定、法務・税務・財務の3級御三家と比較するとまだ簡単な部類です。ただし、金融コンプライアンス・オフィサー2級(合格率70%弱)ほどは甘くありません。

日々変化する金融商品にかかる法律に関する問題も出題されるため、よっぽど金融事情に明るい人でなければ、全く勉強無し(ノー勉)で挑むのは無謀です。

私は元銀行員かつ株式投資を趣味の1つとしており、多少の予備知識がありましたが、ほとんど予備知識/業務知識の無い場合と比較すると、試験勉強に要する時間は大幅に異なると思います。

証券外務員二種、ファイナンシャル・プランナー(FP)3級等、金融機関の職員が入社前/入社直後に取得を促される、メジャーな金融関係の資格を持っていれば、予備知識として大いに役立ちます。(いちおう、私も両方資格を持っています。)

勉強・学習に必要なもの

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  • 最新の過去問題集
  • 勉強ノートとペン
  • 電卓
最新の過去問題集

銀行業務検定の多くは、年2回開催されていますが、この証券3級は年に1度しか試験が開催されません。従いまして、最新の過去問でも、収録されている過去問は最古で4年前のものとなっています。

4年前から今に至るまで、法律から取引所の現在は大きく変化しています。ですので、過去問題集は最新のものを用意することをおすすめします。

合格するための点数(60点)を稼ぐのであれば、市販の書物は過去問だけで事足ります。

ただし、過去問の解説だけで理解するには不足感が否めない部分も多々有りますので、必要に応じてインターネット等を利用した勉強も必要となります。解説テキストも有るに超したことはありませんが、過去問題集と同様に値が張りますので、別に無くてもいいでしょう。

勉強ノート

次にノートですが、これは分からなかった単語や解説を箇条書きで書き出す際に使用します。その際、インターネット等で調べたポイント等を書き足すと良いでしょう。

また、過去問題集を1周した後、再度の効果測定として腕試しする際、間違えた問題や苦手な分野の洗い出しに有効です。

私は勉強用や仕事用に、罫線の無い無地のノートを愛用していますが、この辺はその人の好みだと思います。

ちなみに写真のように、青ペンを利用しているのは、青ペンを利用すると頭が良くなるらしいからですが、効果は今のところ不明です。

電卓

証券3級では、毎年計算問題が2問出題される傾向にあります。

たったの2問ですので、計算問題は始めから捨てる勉強方法も有りだと思います。しかし、実際に電卓を叩きながら計算してみると、それほど難しい問題では無いことが分かると思います。

ですので、保険の意味でも計算問題は理解しておいた方が良いかと。

ちなみに、試験でも電卓の持ち込みは可能ですが、試験の注意事項によれば金融計算電卓、関数・メモ機能付は持ち込み不可です。

勉強は余裕をもって試験の3週間前には始めたい

予備知識が全くない場合、余裕を持たせて勉強を始める必要があります。

私の勉強期間は1週間ちょっとでしたが、これは前述のとおり、始めからある程度の予備知識があったからです。参考までに私の勉強方法は以下の通りでした。

  • 1日3時間ほど勉強に時間を割いて、計算問題以外の過去問1回分を解く(×4日)
  • 過去問を1周したら、今度はノートに回答を書き出し間違えた箇所を把握し、復習する。(×3日)
  • 過去問の復習をしつつ、計算問題を集中的に学習する(×1日)

勉強期間は合計8日間、勉強時間は合計で30時間弱くらいで、過去問4回分の平均点は90点程度です。

私の場合、当初は計算問題2問は捨てるつもりで勉強していました。しかし、時間が計画より1日余ったので、お試しに1問解いてみたら思いのほか簡単だったため、1日で頭に叩き込む事にしました。

試験日当日は午後からの試験でしたが、当日は上記の過去問で間違えた箇所のチェックをする程度で30分も勉強しなかったと思います。

ただ、これは飽く迄私のケースです。受験前にこの試験の受験体験記を、予めをインターネットで検索していたところ「1ヶ月ほど勉強しても分からない」という声もありました。

自分の予備知識を推し量るためにも、受験の前には一度、本屋さん等で過去問題集を立ち読みして、どの程度勉強が必要となるか予め見極める必要があります。

履歴書に書ける資格ではない

銀行業務検定試験の全般に共通して言える事ですが、恐らく一般社会では何の役にも立たない資格です。

ある種の専門性はありますが、それにおいては資格の知名度/難易度ともに微妙です。ですので就職(金融機関を除く)や転職の際、履歴書でのインパクトが弱い資格です。

前述のとおり、銀行業務検定の法務・税務・財務の3級御三家と比較するとまだ取得しやすい資格試験ですので、お勤めの金融機関内の昇格要件に数えられる場合は取得の選択肢に入れても良いかと。

一般参加での受験は趣味でなければ、受験費用も過去問題も高価なため、おすすめしません。FP3級/2級辺りに挑戦されたほうが色々と有用です。

私の場合、金融システムに関わる仕事をしている事と、趣味で株式投資を行っているため、この受験も一種の趣味みたいなものです。

私の受験結果

私の受験(2015年10月受験)結果は、2015年10月28日現在、公式の解答発表の自己採点では76点、合格でした。

過去問での平均得点は2周目で90点代ではありましたが、本番では過去問に無いような問題も少なからず出題されました。高得点を目指す事はなかなか難しいようです。

1年に1度しか受験のチャンスがありませんが、決して難関な試験ではありませんので、きちんとした学習計画を立て、ストレート合格しなければもったいないですね。

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